SoundCloudがフリープランのリミット変更を撤回

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    Wed, Dec 11, 2019, 02:45
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    Resident Advisor
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  • Basicユーザーは従来通り、合計3時間までの音源のアップロードが可能に。
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  • SoundCloudが、先週発表したフリープランのサービス内容変更の撤回を決定した。 オンライン音楽ディストリビューション・プラットフォームの大手SoundCloudは先週初め、無料のBasicプランの内容を12月9日付で変更すると発表した。従来Basicユーザーに課せられたアップロードリミットは3時間という時間制限だけであったが、そこに新たに15曲までの曲数制限が加わるはずであった(容量上限は4GB)。もし変更が実施されていれば、合計3時間もしくは15曲、どちらかに先に達した時点で利用にストップがかかり、新たな音源をアップロードするには有料のPro Unlimitedプランへのアップグレードが必要となっていた。 しかし3日後の12月5日、SoundCloudは一転して、曲数制限の導入を中止すると発表。結果的に、Basicユーザーは今まで通り、曲数に関わらず合計3時間までの音源をアップロードできることとなった。この短期間での撤回は、変更中止を求めるオンライン署名キャンペーンや、数多く上がった反対意見を受けての動きとなる。 「皆さんの意見に耳を傾け、予定していたアップロード制限の変更を実施しないという結論に至りました」と、ステートメント(英語)では述べられている。「無料と有料のサービスのバランスを改善し続けることで、できるだけクリエイティブで多くの人が利用できるプラットフォームの構築を目指しつつ、サステイナブルなビジネスを築き上げます」 SoundCloudは近年、経営的に難しい状況に置かれている。2014年から2016年にかけて三大メジャーレーベル(Universal、Warner Music、Sony Music Entertainment)とのライセンス契約を結んだ。その影響で、今後は起きないと明言されているが、ユーザーがアップロードしたDJミックスなどが削除される事態が発生し、リベラルなプラットフォームとしての当初の魅力を失いかけた。他の音楽配信サービスと競合するための施策が裏目に出てしまい、2017年には大規模なリストラを行った。今回の課金を促す変更は窮地を脱する改善策の一手として講じられたと思われる。今後もサービスを維持するために、どのように財政を改善しサーバーの費用を賄えるのかがキーになるだろう。
RA