- 若手NYプロデューサーのディープでダスティーなサウンド
- 「かつて俺がAphex Twinなどを初めて聴いたときに受けた衝撃を上回るようなものってなかなかないんだよな。でも、このJoey Andersonって男の作るレコードはいつだって俺を興奮させちまうんだ」。去年、Levon VincentはRAのインタビューにてこう語っていた。Vincentがミックスを手がけた『fabric 63』には冒頭にAndersonの不気味な"Earth Calls"、そして後半に"Hydrine"が収録されていた。その時点でAndersonは自身のInimeg Recordingsから出したDJ QuとJus-Edを迎えたEPなど、数枚のEPをリリースしていた。これらのゲストを見れば彼のディープ・ハウス志向が解るが、彼の周りのニューヨーク/ニュージャージー界隈のプロデューサー同様、Andersonは唯一無二のサウンドを展開する。特筆すべき点は、彼の音楽にはスネアやクラップがめったに使われておらず、たまに使用される時はハウスやテクノでありがちな2拍目、4拍目に鳴ることがほぼ無いということだ。これが緊迫感のようなものを生み、ビタースウィートなメロディが組み合わさることで更に強調される。今年に入って彼はAbsurdの新しいAvenue 66やフランスのLatencyなどといったレーベルから12インチをリリースしており、彼の音楽が更なる進化を魅せていた。
今やAndersonはディープ・ハウス/テクノのファンの間で話題のDJ/プロデューサーとなった。今回のRA.380には1時間分の薄暗い陰鬱なクラブミュージックが詰まっており、彼に対する注目度を更に上げるのに十分な内容になっている。
まずは近況報告をお願いします
毎日仕事に行って、帰って来たら音楽を制作しているよ。時間があれば出かけてる。
ミックスの制作環境について教えてください
アメリカ、ニュージャージー州の自宅で制作をした。使用機材は2台のTechnics、2台のDenon CDJ、そしてアナログ・オーディオ・バーナーだ。
ミックスのコンセプトについて教えてください
特別なコンセプトは無いんだが、旅をしているかのような展開を作ることは意識した。
あなたはLevon Vincent、Fred P、DJ Quといったアーティストとひとくくりにされることが多いですが、彼等とはどういった共通点があると思いますか?
俺たちは皆音楽に対する深い情熱を持っていると思う。そして昔のNYのクラブシーンで経験したことも、近いものがある。そして彼等は皆オリジナルなサウンドを持っている。彼等と比較されるのは言葉を失うほど光栄さ。
元々ダンサーでもあるあなたは、どのDJプレイの時が一番気持ち良く踊ることができますか?
Jus Edはいつもドツボな選曲をするんだ。あと、Anthony Parasoleは毎回俺の知らない曲をプレイしていて新鮮だ。
今後の予定は?
今後も歩みを止めず、自然な形で進歩していき、人として成長できたらなと思ってるよ。
TracklistRoy Davis Jr. - I'm the DJ
Innerspace Halflife - Outer Path
N.Dawson - Malfunction
Terre Thaemlitz - G.R.R.L Banji (demo dub)
Vin Sol and Matrixxman - Dirty Laundry
D'Marc Cantu - Shims Tetsuo
Lawrence - Trescore
Vince Watson - View To The Past
Fred P - Project 05
Norm Talley - Analogue XTC
Omar S - Helter Skelter
Vakula - Exp Techno
Joey Anderson - Archerer's Ceremony