Reel By Real - 20 Years Surkit

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  • Reel By Realの1990年のクラシック "Surkit" がどんな曲かを知りたいなら、3秒もあれば十分だ。それは、「デトロイトテクノ」というジャンルが今日の姿になる一助となった、メカニックな要素がふんだんにあしらわれ、揺るぎないまでにソウルフルな(元々の)デトロイトテクノのひと欠片である。この曲には印象的な特徴がたくさんある。そのひとつは曲の移り変わり方である。ムーディーというよりはむしろ、勢いまかせといった感じだ。いくつかの特徴のある不規則なテンポをとおして、びっくりするほど速度が変化する。そしてこれは更に変わった特徴なのだが、奇妙にも、なんだか曲全体が自らを、瞑想と解放という異なったステージをぐるぐる循環しているかのように錯覚してしまったのではないか、というふうに聴こえる。 "Surkit" については、本当にまったく違ったふたつのバージョン − "A1 Surkit (1990 Original Version) " と、もっと粗削りで幻想的で独特の空気感のある " C2 Surkit (1991 I-102 Version) " − として収録されている。ほかのタイトルはと言うと、Redshapeと共同でリマスタリングを行った、重厚なアルペジオによるうねりとJohn Carpenter風のキーボード音の結合である "A2 Vessel In Distress" と、暗く濁ったトライバル調の力強いビートが独特にブレンドされ、収縮されて、何やら比類を見ないものへと変換する "B Sundog"がある。"C1 Distance" はファンキーなブリープ音によって幸福感を添え、"D Serene" はBondsとその友達のデトロイト人、Anthony "Shake" Shakirとのコラボレーションの賜物として、比較的ゆったりしたものになっている。このシングルにはかなり幅広い種類の音が収録されているが、不思議にも、すべての曲に、とあるひとつの街(それは言うまでもなく、デトロイトである)の空気が染み渡っている。
RA