Kassem Mosse - Workshop 12

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  • Kassem Mosseはジャンルという点では、変化球ピッチャーとも言える。彼のサウンドの特徴を表現してみようとしても、つかみ所の無いものだ。彼の作る殆どの音は、まるでスクリーンの後ろで作っているようである。シルエットは見えるのだが本人が見えない。Workshopから出た2つのリリースは、、シンプルであり今でも賞賛は絶えない。では、 Workshop 12はどうであろうか?同じく、いや、更に素晴らしい出来となっている。 B1やB2で見られるリッチな曲調の中に、空っぽな、むなしさを曲全体から感じとることができる。ローなドラムマシーンが、灰色の景観の中をマーチングし、パッドがただその景観を霧で埋め尽くす。 Workshop 8 のB1のように遅すぎず曲がゆっくりと進んでいく。 120くらいのBPMは、クラブでの始まりの一曲にぴったりだ。シューレアリズムまでを感じさせてしまう雰囲気のセットは、普通のイージーリスニングのスタイルとはまた違った印象を与えてくれる。 A1での一風変わったボーカルクリップは曲を通して、存在と距離の恐怖を煽るような変異を曲に与えてくれる。A1そして、よりディープなB1は、4/4拍子が土台になっている一方、B2はダブスッテプよりの音になっており。去年の Kangding Rayによる Pruitt-Igoeのラインを沿っている。落ち着いたものというよりも、奇妙な雰囲気を醸し出していると考えていただいて良いだろう。
RA