Yally - Burnt / Sudo

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  • Raimeには常に好奇心をそそられる。ふたりはBlackest Ever Blackを牽引するプロジェクトとして(Raimeは同レーベルの1枚目のリリースを手掛けている)、現在も人気のダークなエレクトロニックミュージックであるポストインダストリアル・トレンドの最前線にいた。その後、彼らは同じ音楽性をMoinと名付けたポストパンクバンドへと変化させ、そこでのギターサウンドをRaimeへと還元した。そして今回のプロジェクトYallyも同様の展開を見せている。Boomkatによる片面プレスの12インチシリーズの第一弾となる「Burnt / Sudo」では、Raimeの音楽性がダークステップの領域へ持ち込まれ、ガラージやダブステップの影響を受けたサウンドに照準が合わされている。以前からジャングル的要素を交えてきた彼らにとって、こうした変化はそれほど意外なことではない。 "Burnt"と"Sudo"で面白いのは、いい具合にカッチリしていないところだ。しかし、それが低調に感じられそうでもある。"Burnt"での人工的な響きの甲高い音や、"Sudo"のボーカルサンプルや躍動するベースラインはレイヴを思わせるが、両トラックにはローエンドの音圧と暗いムードから成る重々しさがある。Moinのときと同様、YallyもRaimeらしさのあるサウンドを聞かせてくれるが、巧さを感じさせる処理が施されていれば、この雰囲気からもっといいものができていたかもしれない。
  • Tracklist
      A1 Burnt A2 Sudo
RA