Various - Vol. II

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  • DisDatはReSoluteが新たに始動したサブレーベルだ。ニューヨークで開催されている同名のパーティーに関連した作品が発表される場となっている。彼らが2016年にブッキングしたアーティストの中には、Rhadoo、Vera、Zipらが含まれており、ダンスフロアにおけるミニマリズムを打ち出してきた同パーティーはニューヨークの重要拠点にまで成長している。しかし最近では、The Black Madonna、Roman Flügel、Juan Macleanといったアーティストをブッキングしており、彼らが音数の少ないビートだけを扱っているのではないことが分かる。一方、DisDatで聞くことができるのは音数の少ないビートだ。第二弾となるレーベルのコンピレーションEPにはThomas Melchior、Barac、Vincent Lemieuxによるトラックが収録されている。ミニコンピレーションという意味でいえば、本作はこの3名が普段見せることのない一面を味合わせてくれる多様性に富んだパッケージだ。 "Hillbilly High"では最も奇抜なMelchiorの一面をうかがい知ることができる。メインのメロディを担うのは、ヘッドフォンで聞くと耳につきそうな、それでいて、クラブでは意識をかき乱しそうな、弦楽器を思わせるブリープ音だ。一方、Baracはジャジーなトラック"Ordinary Conversations"で最もハウシーな一面を見せている。その一端を担う手弾きのようなベースラインは、おそらく彼が制作してきた中でも特に大胆なアレンジだろう。これまでに少数のトラックをリリースしているカナダ人Lemieuxは、本作で最も感情に訴えるトラックを提供している。MelchiorやBaracらは通常、自身のレーベルか近しい友人のレーベルからエモーショナルな作品をリリースしていることを考えれば、このことは驚くことではないだろう。Lemieuxによる"In Momo's Jeep"は巧妙なコードやボーカル、そして、上昇していくシンセの音が使われた拡張的でディープなトラックだ。ツール色の強い他2曲と嬉しい対比を成している。
  • Tracklist
      A1 Melchior Productions - Hillbilly High A2 Vincent Lemieux - In Momo's Jeep B1 Barac - Ordinary Conversations
RA