Prequel - Freedom Jazz Dance

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  • Prequelとして知られるプロデューサーJamie Lorusso-Zyskindはオーストラリアのメルボルン出身だが、ロンドンのレーベルRhythm Section Internationalからのファーストシングルやセカンドシングル「Freedom Jazz Dance」から判断するに、彼のサウンドはメルボルンから遠く離れたデトロイトのディープハウスに強く根差している。とはいえ、Pépé BradockからMotor City Drum Ensembleまであらゆる人たちがデトロイトからインスピレーションを得ているように、そのこと自体は珍しくはない。ローズやストリングスの短いフレーズ、落ち着いた低いトーンの声、階下でパーティーが行われているときのようなくぐもったキックなど、Lorusso-Zyskindはお決まりの要素を相性よく交ぜ合わしている。 "Nothing Better"はストリングス、クラップ、そして、軽い鳴りのピアノによって作り上げられ、そこに時折、"Love me…yeah"と懇願する声がつぶやかれる。そして"Walken"では遥か彼方でサックスが鳴り響き、それに合わせて"Yeah y'all"という声がこだましている。"You Shall Know The Truth"で用いられているのは、しなやかなベースラインや、クローズド・ハイハットのパターン、女性の甘える声、そして、ちらつきながら出入りを繰り返すエレクトリック・キーボードだ。"Walken"の転調や"You Shall Know The Truth"のうねるサウンドなど、意外な要素も小粋に盛り込まれているものの、そこにはどこか抜け落ちたものがある。Theo Parrish、Kenny Larkin、さらにはPépé Bradockがこうしたループを15分間に渡って使い続けて極上のサウンドを生み出しているが、同様の素材を使った今回の収録曲はそこまでの高みには至っていない。
  • Tracklist
      A1 Saints feat. Cazeaux O.S.L.O. A2 Nothing Better B1 You Shall Know The Truth B2 Walken
RA