Burnt Friedman - Masque / Peluche

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  • 2年前にWill LynchがBurnt Briedmanに対して行ったインタビューでは、Briedmanは「非常にラディカル」な思考を「柔らか」に語る、と記されていた。これまでにLynchも同じく柔らかな表現でFriedmanの音楽に触れてきた。Moritz Von Oswald、Ricardo Villalobos、Max Loderbauerといったドイツの前衛アーティストと同様、Friedmanの音楽は微細な変化とハイオーディオ的精度を通じて深く奇妙なアイデアを実現するものだ。Friedmanの最新12インチには、近年のDaniel Dodd-Ellisとのコラボレーションにおける味わい豊かなテクスチャーに代わり、より抑制されたサウンドが収められている。収録の2曲は非常に繊細だ。聞いているうちに、まばゆい日差しのもと輝く彫刻を細目で見ているような気分になる。意識を集中していくに従い、すかし細工のようなサウンドがさらに繊細になっていく。 各トラックは単一のビートループを基調としており、微かにダブのサウンドプロセッシングが施されている。"Masque"は抑制度が高く、ハイハットは極めて鮮明かつ軽快で、小節の頭ではキックドラムが鋭く鳴らされている。その背後では、晴れわたる空に浮かぶ一縷の雲のように、メロディとコードの破片が一瞬だけ姿を現しては消え去っていく。同様のアイデアを大胆に打ち出しているのが"Peluche"だ。左右非対称の均衡感が5/4拍子によって強調され、生演奏のようなあらゆるパーカッションと共にビートが埋め込まれている。数分ごとにリバーブがほのかに現れ、重なり合いながら濃霧へと変化していく。後半になると、ストライドの大きい執拗な足取りでトラックは展開していく。奇妙なグルーヴにもかかわらず、Friedmanの手により、ごく自然な印象に変化している。
  • Tracklist
      A Masque B Peluche
RA