City People / 20 Below - It's All In The Groove

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  • Danilo Plessowとしても知られるMotor City Drum Ensembleに求められているのは、僕たちにとって新鮮に感じられる昔のレコードだ。US産のハウスやディスコをこよなく愛する彼にかなうDJは本場アメリカでもなかなかいない。しかし自身のレーベルMCDEからの再発シリーズ第1弾にはマンチェスター発のソウルフルでディープなハウストラックが収録されている。City Peopleと20 BelowはIrfan Hussainによるプロジェクトだ(前者はRex Leonとのコラボレーションだ)。マンチェスターのセルフレーベルRainy People Musicを通じて、HussainとLeonは90年代にアナログなディープハウスの傑作を次々と生み出してきた。現在も運営が続く同レーベルはThe HaçiendaよりもThe Shelterに傾倒している。それはすなわちPlessowの大好物ということであり、そのサウンドはディスコと90年代ハウスの間にあるスウィートスポットをくすぐっている。 収録された3曲のタイトルを見るだけでどんな内容なのかが分かる。"It's All In The Groove"はベースラインがすべての中心になっているトラックだ。ChicやCurtis Mayfieldによる作品のインストパートに隠れていそうな、躍動感ある素晴らしい鳴りのベースラインだ。弾力性があり、PlessowがプレイしているPeven Everettのクラシックスに似たソウルフルなエネルギーが上手く処理されている。エレクトリックピアノが好きな人なら"A Lil' Tribute To The Moody Black Keys"には楽しめる要素が満載だろう。こちらはMCDEから最近発表されたコンピレーション『Selectors 001』にも収録されていたトラックだ。フェンダーローズが持つ音色の幅が存分に活かされており、この楽器特有のくすんだ音に対して小刻みに震えるトレモロコードが鳴らされている。こちらでもベースラインが忙しなくうねりを上げている。途中で訪れるディスコブレイクではHussainがファンキーなシンセサイザー奏者として登場する。 Plessowは器の大きいディガーだ。なぜならShazaamユーザーによって使用曲の正体がネットに投稿されるにも関わらず、彼は録音したDJセットを即座にアップするからだ。昨年の夏にはTru Tonesによる楽し気なカリビアンディスコチューン"Dancing"のようなトラックが知られることになった。そして今回、Plessowは自分の秘密兵器を多くの人に使ってもらうために再プレスという行動にでた。大変な仕事を成し遂げたMCDEに倣い、願わくば多くのDJたちもディギングに励んでもらいたいところだ。
  • Tracklist
      A1 City People - It's All In The Groove B1 20 Below - A Lil' Tribute To The Moody Black Keys B2 20 Below - Jus' Nite Groovin'
RA