Alpha 606 - RMXD

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  • Alpha 606はマイアミ生まれのアーティストArmando Martinezがエレクトロにキューバの感覚を落とし込むプロジェクトだ。彼曰く、この名前は「Castro政権下における反体制組織のAlpha 66とRoland TR606を混ぜ合わせたもの」だそうだ。クラシックとも言えるサウンドに新たな感覚を持ち込んだ彼はデトロイトのレーベルInterdimensional Transmissionsに打ってつけだ。同レーベルは2008年のEP「Electrónica Afro-Cubano」でMartinezを所属アーティストとして迎えた。そして今回彼は「RMXD」と共に再びレーベルに復帰する。本作にはスナップの効いた新曲に加え、Interdimensional TransmissionsのメインアーティストであるBMGとErika、そしてAnthony "Shake Shakir"による素晴らしいリミックスが収録されている。 "808 Trax"はトラックタイトルどおりシンプルで巧みなビートツールだ。4分間に渡る同トラックにはハードウェアを使って即興でジャムセッションしたような感覚がある。非常に歯切れがいいドラムサウンドが矢継ぎ早に新たなパターンを形成している。Shakirのリミックスではそこへノイジーなドラムを加え、低い位置で漂うドリーミーなコードを引き出している。パンチのある引き締まった原曲に対して、彼のリミックスは壮大でけたたましい。 BサイドではInterdimensional Transmissionsの中枢を担うふたりがMartinezの未発表曲をリミックスしている。BMGによる"Armambo"のリミックスは型破りではあるが、細切れのハンドパーカッションに対し、不協和を奏でるマリンバやシンコペートするサブベースが奏でられており、本作では最もカリブの響きをしている。Erikaによる"We Leave Tonight"のリミックスはギラギラとしたエレクトロだ。耳に残るベースラインと流れるようなリズムによって本作で最も中毒性の高いトラックとなっている。もしかしたらこれまでのErika作品の中でベストと言えるトラックかもしれない。
  • Tracklist
      A1 808 Trax (Anthony "Shake" Shakir RMX) A2 808 Trax B1 Armambo (BMG RMX) B2 We Leave Tonight (Erika RMX)
RA