One One One - One One One 01

  • Share
  • ロンドンを拠点にSwamp 81のメンバーとして活動するKlose Oneと、クラシック音楽の教育を受けたドイツ人プロデューサーClaus Fussが結成した新プロジェクトOne One One。Klose OneはLoefahが運営に携わるレーベルSchoolから2013年にプロデューサーデビューを果たしているが、ハウス、テクノ、ベースミュージックなど、多くの要素を混然一体にプレイするDJとしてジャンルの垣根を超えた評価を獲得している。One One Oneのふたりはハードウェアを多用してライブレコーディングする手法で制作を行っており、Klose One曰く「編集作業はしていない。レコードから聞こえてくるのは俺たちがプレイしたままの音だ。One One Oneの音楽はすぐにでもライブパフォーマンスで行えるもの」だそうだ。その特性は本作「One One One 01」において顕著に表れており、テクスチャーには少し粗さの残る部分があるものの、それを補って余りある活き活きとした躍動感が漲っている。 808によるタイトなエレクトロビートをベースにしたAサイドが秀逸。定期的に挿入されるカウベルのひび割れた質感が病みつきになる一方で、トラックの最深部では重低音が轟いている。帯域ごとの対比がハッキリしているため、少ない音数でも飽きることなく、細かな展開でも鮮烈な印象が生まれている。緩やかにパッドが漂う中、レゲエボーカルのサンプルが浮遊感のあるブレイク部を演出する展開は様々なシーンで活躍してくれそうだ。4つ打ちにアシッドベースをスタッカート気味に組み合わせたBサイドは各素材が徐々に変化していくことでディープに高揚していく。金属音がときおり少しひび割れるあたりにもライブレコーディングらしさが感じられ、そうしたざらつきのある質感が中毒性の高いサウンドとして鼓膜へと滑り込んでくる。これまで決して多作とは言えない制作ペースのふたりだが、ライブレコーディングの鮮度を閉じ込めるOne One Oneの作品が今後も続いていくことを期待したい。
  • Tracklist
      A untitled B untitled
RA