Ntogn - Sathurnus

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  • スウェーデンのテクノアーティストNtognは2月にFacebookのフォロワーへ向けて次のような発表をしている。「あと1か月足らずで、僕が生まれてから10,000日目を迎える。これまで過ごしてきた何事にも代えがたい日々を、そして、今の僕を形作り、今後の僕の指針になってきた日々を称えるため、一切妥協することなく自分の内面をサウンドに表すことをここに誓います」。この宣誓によって誕生したのが「Sathurnus」だ。このプロジェクトは追加型リリースになっており、「次の832日間で」次々と加えられる新曲がBandcampにて全曲無料で提供される。 Ntognのゴシックでコズミックな雰囲気がちょっと・・・という人でも、「Sathurnus」に耳を傾けてみる価値は十分ある。Paula Templeは1曲目の"Ziggurath"を聞いたとき、打ちのめされたようだ(英語サイト)。その理由は簡単だ。この荒々しいアーティスティックなテクノに似たサウンドは他には存在しないからだ。このトラックと"Ba'al"には心を捉えて離さない強烈な魅力がある。どちらもホンモノの機械のようなサウンドをしているのだ。聞こえてくるのはループのアレンジメントなんかではない。ギアやバルブでできた巨大な塊のがらがらとした音をフィールドレコーディングしてみたら、偶然、BPMが130になっていた、とでもいえるサウンドだ。アーティストのSkymnとコラボレーションした"Thelema"にも同じ奇妙な力があり、直感的ですらある不規則なグルーヴを生み出す重々しいサウンドが、船に寄せる波のリズムのように打ち付けられている。無料提供される曲にありがちな適当なものではなく、どのトラックも丹精に作られている。今回の収録曲が今後のサウンドを示唆しているとするなら、これからトラックが追加されるにつれ、Ntognのサウンドはますます面白いことになっていきそうだ。
  • Tracklist
      01. Ziggurath 02. Thelema feat. Skymn 03. Ba'al
RA