Alland Byallo - For Everyone A Sentence

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  • Third Ear、Liebe*Detail、Cocoon、BPitch Control、そして、自身のBad Animalなどを通じてAlland Byallo がリリースしてきた作品を聞くと、しっかりとした4つ打ちのビートにパッドやシンセを適度に施しており、プレイしやすく、比較的オーソドックスな作りのトラックが多いことが分かる。しかし、HouseWax Ltdからのリリースを経て、姉妹レーベルRawaxからヴァイナル限定で発表される本作では、これまでの浮遊感のあるディープでドリーミーな雰囲気を携えたトラックに加え、そこに捩じれたブロークンビーツに組み合わせることで、ひときわ強い個性を持ったグルーヴも提示されている。 強いて言うならUKガラージに近いビートを土台にした“Fawn”では、粒立ちのいいシェイカーが時折、何かに引っかかっているかのようにシンコペーションしており、全体のグルーヴに面白い揺らぎを与えている。トラックの進行に合わせてゆらめく残響音のようなパッドシンセが重ね合わされ、深く立ち込めるサウンドの中から徐々にシンセフレーズが浮かび上がってブレイクを迎えるのだが、他のトラックに比べてこの展開を少しドラマチック過ぎると感じる人がいるかもしれない。”Idi”では大バコで映えそうな鳴りのキックを崩して配置し、ウォブリーなベースラインや、のこぎり波を捩じり出したような音を使って、ぬかるむ低域部を形成している。背景から壮大にこだまするシンセオーケストラが大きなうねりと共に立ち上がってくるのに合わせて、トラックは静かな高揚を迎える。このウワモノは”Fawn”とは対照的に程よく抑制されており、後半に挿入される切れのいいスネアを上手く引き立てている。Byalloがこれまでにリリースしてきたストレートな作風を好む人には4つ打ちトラック”Goldet”と”Unbucled”が受け入れられるだろう。
  • Tracklist
      A1 Fawn A2 Goldet B1 Idi B2 Unbucled
RA