Gunnar Haslam ­- Athabaskan Languages

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  • Gunnar HaslamにとってDelsinから2枚目となるリリースには、地域特有の表現Hellegateオランダ植民地時代のニューヨークの歴史(英語サイト)を参照したトラックなど、どことなくコンセプチュアルな要素がある。しかし、アメリカ先住民に対するオマージュと言えるのは、乾ききったドラムサウンドを使った"Hellegat"や、カラカラとした音の"Athabaskan Languages"くらいだ。他2曲はもっとテクノ寄りで、ニューヨーカーである彼にこれまで期待してきたサウンドだ。 "Athabaskan Languages"は前作「Ataxia No Logos」(英語サイト)の表題曲における不安感を再び表現しているような印象だ。本作におけるダンスフロア直球トラックであり、"Hellegate"の変異形だ(もしくは、"Hellegate"が"Athabaskan Languages"の変異形だ)。"Athabaskan Languages"には無い迫り来る不気味な雰囲気が"Hellegate"の根底に渦巻いている。ダンスフロアから外れていく感覚を具現化したのが"Sarsi"だ。それはHaslamがこれまで得意としてきた感覚で、その中で最も毒々しかったのは彼が初めてMister Saturday Nightから発表した作品だろう。しかし今回の彼は表面部分に少し手を加えて、陽射しのようなダブリバーブを浴びるだけにとどまっている。 生い茂る奇妙な藪の中を歩き回っているようなトラック"Sirenik"では、再び彼のゾッとする一面がうかがえる。しかし、畳みかけるグルーヴのレイヤーによって後押しされる8分強のトラックはエネルギーに満ち、がっしりとしていて、バウンシーに感じられる。全体的に見ると「Athabaskan Languages」はしっかりとしていて使いやすい1枚だ。
  • Tracklist
      A1 Athabaskan Languages A2 Sarsi B1 Sirenik B2 Hellegat
RA