Rødhåd - Söhne Der Erde

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  • コズミックな様相を呈したRødhådの前作「Kinder Der Ringwelt」で彼は従来のダンスフロアにおける恍惚性よりも拡張的なプロダクションへと明らかに移行した。最新作「Söhne Der Erde」も同じく意欲的で、"Im Glanz Des Mondes"のような壮大なトラックは入っていないにもかかわらず、素晴らしい要素がたくさんある。 1曲目"Lookitthat"ではRødhådの伝統ともいえるオフビートなベースラインループが使われているが、BPM110で重心低めに鳴らされている点は彼にとってめずらしい選択だ。広大な空間には不気味でドラマティックな雰囲気が流れている。それは初期作品の奥底によく潜んでいた雰囲気だ。威嚇的なジャッキントラック"Maschinenvolk"では対照的に、噛み付くようなシンバル、予測不可能なクラップ、不協和なシンセによって今にも爆発しそうなほどトラックがタイトに組まれていく。 本作で最も明快なトラックはブロークンビーツトラック"Vivarium"だが、リバーブに浸した喚きや唸り、そして長くぼんやりと灯されるパッドにより、引き続きディープな路線に進んでいる。最後の"Verhängnisvolle Nebel"は本作で最もアブストラクトで情感溢れるトラックだ。ほとんど存在を感じさせないリズムとゆっくりと強度を増していくドローンの中で、「Kinder Der Ringwelt」でもコラボレーションしたシンガーのSara Clarkが言葉にならない歌声や甘い囁き、そして嘆きを発している。面白いのは、アップリフティングとさえ言える短めのコーダ部分が収録されていることだ。ここ最近の2作品におけるスタイル変化を考えると、Rødhådのアルバムの制作が進行中だと思わずにはいられない。
  • Tracklist
      A1 Lookitthat A2 Maschinenvolk B1 Vivarium B2 Verhängnisvolle Nebel
RA