Archie Pelago - Clammy Customer

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  • ブルックリンの3人組、Archie Pelagoは2013年のRA podcastについて次のように語っている。「最近ライブでやっている僕らの未発表曲(中略)を詰め込んでみた。とても緩いプランだけ決めて、即興で制作したよ」。ジャズに影響を受け、演奏しながら進化していくスタイルに、Archie Pelagoは本能的に辿り着いた。3人とも素晴らしい才能を持つ熟練したミュージシャンだからだ。彼らのライブセットではターンテーブルと同時に、チェロやサックスも用いられている。彼らにとってMister Saturday Nightから2枚目となる「Clammy Customer」に収録されたトラックの初期バージョンは、先のRA podcastでも使われていたが、本作がリリースされるにあたってトラックは完ぺきに磨き抜かれている。アレンジメントはさらに精工になり、エキセントリックなジャムセッションは全開になって最大限の効果を生み出している。 そうした音楽を聞きながら、ライブでレコーディングされた様子を思い浮かべると興奮してくる。"Clammy Customer"での陽気なコール&レスポンスは、シンガーのGabriel Garzón-Montanoと彼らが向かい合って演奏しているかのようだ。素晴らしいAサイドには、この点以外にも躍動的な場面が数多く含まれている。アレンジメントは信じられないくらいワイルドだ。熱狂的なクラップと、さえずるような楽器はすべてターボチャージされている印象で、アウトロでは今にもお約束的展開を見せようとする。 Bサイドは対照的に暗く澱んでいるが、見事にアレンジされている。展開が少なく悲しげな"Madame Suede Nightshade"では、ボーカルと愛らしいサックスソロが落ち葉のようにフロアに降り注ぐ。本作を1度聞いただけでは、熱狂的過ぎると思うかもしれないが、彼らの複雑なフレーズの素晴らしさは次第に分かってくる。本作をプレイするたびに新たな聞き方を発見できるだろう。
  • Tracklist
      A1 Clammy Customer feat. Gabriel Garzón-Montano B1 Madame Suede Nightshade
RA