Porn Sword Tobacco - Magnifik Botanik

  • Share
  • Porn Sword Tobaccoは、その名前からは想像もできないほどシリアスな音楽を制作している。本名、Henrik Jonsson、スウェーデン人プロデューサーである彼は、00年代初めに、Stress AssassinやSwayze Dubといった名義で登場した後、City Centre Offices(Modern LoveとBoomkatのShlom Sviriにより設立され、現在、停止中のレーベル)に一連のエクスペリメンタルアルバムを提供し、現在の名義をスタートさせた。2009年頃から、Jonssonは無駄を削ぎ落としたスペーシーなクラブトラックをソロとコラボレーションで生み出してきた。コラボレーション相手は、SUEDのレーベルボスであるSVN(英語サイト)やJonsson/AlterのJoel Alterだ。Aniaraからリリースされる2枚組最新作「Magnifik Botanik」は、抑制された気品漂う彼のテクノ史上、最も作り込まれた作品だ。 「Magnifik Botanik」では2009年から2014年までにレコーディングされたトラック5曲がまとめられている。快活なエレクトロビートを伴った上昇感のあるピアノハウス"Kristallisering"では、珍しくパーティーモードのJonssonを垣間見ることができる。しかし、このトラックは通常ではなく例外であり、他の4曲は尺が長く、変化が微細で示唆に富み、各トラックごとにどんよりとした独自のランドスケープを描いている。"Magnifik Botanik"はBPM129に乗って駆け抜けているが、夜中に霧の中を惰行しているかのように、そこには静かで心和らぐ性質がある。"Enkel Disko För Hand"でも霧がかった空気が漂っており、オルガンのちらつく輝きによってほんの少しだけ辺りが照らされている。SVNとのコラボレーショントラック"Vildvuxen Galax"は、ダブテクノの分厚いコードと大理石を切り出したようなキックドラムを搭載しているが、本作のドリーミーなムードは引き続き保たれている。デトロイトスタイルの陰鬱なディープハウス"Jobbet"に限り、9分間に渡って展開していくにつれ、トラックが少し引き伸ばされ過ぎていると感じてしまうが、浮かび上がってくる鮮烈な空間に引き続き心が惹き込まれる。
  • Tracklist
      A1 Magnifik Botanik B1 Vildvuxen Galax C1 Jobbet D1 Kristallisering D2 Enkel Disko För Hand
RA