Chaos In The CBD - Midnight In Peckham

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  • Chaos In The CBDは多くのアーティストよりも広範な音楽をカバーしている。ClekClekBoomに提供した808のカウベルによるドラムトラックから、Amadeus Recordsに提供したシンセを強調したテクノまで、過去3年間に渡って、実の兄弟であるBenjamin JulianとLouis Simon Helliker-Halesは、あらゆる音楽を制作してきた。そして今回、Rhythm Section Internationalから彼らが届けてくれるのは、薄暗く照らされたジャズバーから持ってきたような低調なサックスソロとピアノを使い、たっぷりとソウルを吸い込んだ気怠いハウスEPだ。 「Midnight In Peckham」は、Rhythm Section Internationalの中核にある、ヒップホップ、ジャズ、ファンク、そして、ハウスが混然一体となったサウンドを反映している。本作の大部分は非常に素晴らしいのだが、ニュージーランドのふたりが他作品で示してきた気まぐれなタッチに欠けている。"Midnight In Peckham"における真夜中のジャズ空間は、その名が示す通りの雰囲気を喚起させるが、深夜ではなく、ペッカム以外の場所でも楽しむことができるだろう。4曲中、最も溌剌としている"Observe"では、ストリングスによる心地よいバックグラウンドに、スタッカートで弾かれるピアノとシンバルのストロークが混ぜ合わされている。トラック単独でも素晴らしいのだが、"Trust Is Key"と"Luxury Motivation"がカバーする領域は、"Midnight In Peckham"と"Observe"で十分に探求されているように感じる。Archie Pelagoをフィーチャーしたデジタル限定ボーナストラック"Common Unity"における激しいドラムがアナログ盤に収録されていたとすれば、面白い多様性を加えていただろう。
RA