Various - CRTL003

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  • ロンドンのレーベル、Cartulis Musicの最新リリースが関連アーティストふたりから届けられたのは意外なことではない。パーティであるCartulis Dayは、ダンスフロアの家族的な雰囲気と、密接なつながりを持つレギュラーオーディエンスで特に有名だ。再びCartulis Musicに戻ってきたAnton ZapとTommy Vicari Jnrによるレーベル3作目のレコードは、この親近感に重点を置いている点を活用している。 Cartulis Dayが以前、拠点にしていた場所から名前を取った、Anton Zapの"Crucifix Lane"は、タイトに巻き付けた強烈なテクノトラックだ。第一印象では、Zapの軽快なタッチが幾分、全開の暴力性の餌食になっているように感じる。しかし、反復する強度の中には、刺々しいテクスチャーと微細な音程変化があり、繰り返し耳を傾けるに値する。 "Crucifix Lane"が、Cartulis Dayで午前4時に迎える汗ばむピークを思わせるとするなら、Aサイドに収録されたTommy Vicari Jnrのトラックは、まどろむアフターアワーズだ。Vicari Jnrは長きに渡るキャリアを通じて、あらゆるダンスミュージックを制作してきたが、謎めく魅力を放ち、トリッピーな美しさを持つ"Volatiles Pt 1"に匹敵するトラックはなかなか無い。Cartulis Musicの3作目がこれほどまでの魅力を獲得している理由はこのトラックにあるのだろうが、「CRTL003」は全体で捉えた時こそ、最も真価を発揮する。Cartulis Musicのファミリーふたりが、心に残るパーティの異なる場面に対してそれぞれトラックを制作しているのだから。
  • Tracklist
      A1 Tommy Vicari Jnr - Volatiles Pt1 B1 Anton Zap - Crucifix Lane
RA