Dubtil ‎- Ebandogue EP

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  • Understandがこれまでにリリースしてきたのは、常にムーディーな音楽だった。ブカレスト発の同レーベルが発表するレコードは、DJを対象にしているが、必ずしもパーティを盛り上げるトラックに特化している訳ではない。発表されたものはすべて、ルーマニアサウンドの基準と比べても非常に空間的かつダークで、ロングセットの一部として最も効果を発揮しそうなサウンドになっている。Understandの最新12インチ「Ebandogue」を提供するのは、NoiDoiのメンバーであるDubtilだ。ここしばらくルーマニアのトップDJたちにプレイされている本作だが、その理由は簡単だ。サウンドはがっしりとしていて、精工、そして、グルーヴィーで、微細な変化により各トラック単独でも十分にサウンドトリップを楽しめるからだ。 これほど不気味なサウンドをパーティの終盤にプレイするのは少しリスクがあるかもしれないが、「Ebandogue」は深い時間の環境にとても適した印象だ。PrikuとArapuが先日のEP「I/0」で陽射しを目いっぱいに浴びていたのに対し、Dubtilは背を向けている。本作で最も方向感覚を麻痺させられるのは"Debandada"だ。発信されるホーンサウンドと一緒に立ち上がっては沈んでいくサウンドスケープの奥底に、ぶつ切りにされた熱狂的なボーカルが埋め込まれている。"Opus Ebant"では、さらに若干、抑制されているが、発せられる緊張感は強い魅力を放っており、適切なDJが手にすれば強力なトラックになるだろう。本作を締めくくるのは傑作、"Epilogue"だ。最も手堅く、今回、唯一の明快なトラックになっている。
  • Tracklist
      A1 Opus Ebant B1 Debandada B2 Epilogue
RA