Keta Ra - =

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  • 広島を拠点に2011年よりKeta Raとしてソロ活動を始めたというKeita Sadanagaが昨年、Wood Frameから発表したセカンドアルバム『rinth』には、20分越えのギター・アンビエントトラックと共に”=”と名付けられたトラックが収録されていた。意識を丸ごと洗浄するかのように流れ込んで来るパッドシンセと豊潤な残響を伴うギターワークが幾重にも折り重ねられることで生まれる浮遊空間では、虫や水の音といったフィールドレコーディングがテクスチャーに彩りを添え、力強いビートとベースラインがしっかりとトラックを支えていた。タイトなスネアが打ち付けられるたびに、フロアで拳を握りしめる人たちの嬉々とした光景が目に浮かぶこのトラックが、AltzとCalmによるリミックスと共にAltzmusicaよりシングルカットされた。 原曲のグルーヴ感はそのままにキックとスネアなど素材を引き算することでトラックが持つ恍惚とした一面がより浮き彫りになった”Groundin' Altz”リミックスでは、中盤で用いられているボコーダーボイスが人工的な質感ながらも透き通ったバックグラウンドに面白いコントラストをもたらしている。ここでもパッドシンセとクラッシュシンバルがクライマックスを演出しており、ビートに偏重しない楽曲構成が際立っている。対照的にリズムパートからスタートするCalmによるリミックスは、原曲素材の使い方を大胆に変更してトラックの展開に合わせて疾走感を増していく。野太いベースラインが絡みついてきても、キックの輪郭がハッキリと打ち出されるようにミックス処理されている。そうした点からも各プロデューサーが持つ制作意識の違いが垣間見られるようで面白い。
  • Tracklist
      A1 = A2 Groundin' Altz B Remix by Calm
RA