General Ludd - Are You Losing My Hearing? EP

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  • General Luddは国境を越えてサウンドインスタレーションを共同制作するふたりのプロジェクトとして始まった。彼らのレコードはいづれもそのことを思い出させてくれる。これは有名な結成秘話ではあるが、ふたりの生き生きとしたダンスミュージックの中においては、その影響が常に明らかに表れている訳ではない。通算4枚目となるリリースにおいて、Rich McMasterとTom Marshallsayは特異でフリーフォームな制作アプローチを自身のサウンドの前面に押し出している。「The Fit Of Passion」ではサンプルを多用したストレートなハウスを制作し、「Rare Earth Metal」(英語サイト)ではダンスフロアの奇妙な領域を模索し、そして今回、「Are You Losing My Hearing?」ではそうした制作モードを結び付け、気まぐれに展開するトラック2曲を生み出した。 多数の細かなサンプル、エフェクト、そして、楽器音がタイトルトラックに詰め込まれており、サウンドに付いていこうとする人を困惑させるだろう。McMasterとMarshallsayはパーカッシブなサウンドの断片がすべて入ったハードドライブを空っぽにして、ブロークングルーヴの中に放り込んでいるような印象だ。それはまるでトウモロコシが弾けるタイミングを待っているかのようなグルーヴだ。時折、ふたりは吃音のようなドラムと低域の鼓動を合成色で塗りつぶしている。それにより周波数スペクトラムが完成し、堂々としたメロディアスなビートが生まれている。"Are You Losing My Hearing?"には、スーパーボールの予測不可能性とエネルギーがすべて詰まっている。しかし、そうした予測できない細かな動きや、跳躍、サイドステップが、このトラック以上に魅力的で付いていき易くなるのは不可能だろう。 "Moneychangers"では、そうした奔放なサウンドは使われていない。7分間に渡って、ダビーなサウンドスケープの中を着実な4つ打ちリズムと分厚い低域の鼓動に乗って進んでいる。このトラックで最も予想外なのは、Aサイドに比べ、General Luddのサウンドが非常に抑制されている点だ。しかし、そのアプローチはふたりにとって上手く機能している。さらに控えめな素材からふたりが描き出す生き生きとしたハウスの見本としてこのトラックを考えれば特にそうだ。"Moneychangers"は彼らが手掛けたトラックの中ではそれほど際立っている訳ではないが、特注のサンプルと作り込まれたアレンジメントは、ふたりに共通するバックグラウンドがあることをはっきりと思い出させてくれる
  • Tracklist
      A1 Are You Losing My Hearing? B1 Moneychangers
RA