- 2013年にIRRからデビューを飾って以来、ドイツを拠点とする英国人プロデューサーのMatt Karmilは、Beats In Space、Yumé、そして、PopnonameによるレーベルPNNから作品を発表してきた(PNNからは昨年、デビューアルバムをリリースしている)。ブリストルの著名レーベルIdle Handsから発表される彼の最新作を通じて、擦り切れたサウンドを使った強力かつカリスマ性のあるハウストラック3曲が到着した。
荒々しい"Play It"は、メインフロアやフェスティバル仕様の6分間に及ぶ音響兵器だ。つんのめるベースライン上に騒がしく打ち込まれる圧縮された埃っぽいキックは、近年のBarnt作品を彷彿とさせる。もしくは、2004年からIvan Smaggheがプレイしていたサウンドと言えるだろうか。面白い対比を成しているのが"Do It"だ。展開は少なく、素材を削ぎ落し、中毒性のあるベースラインでじわじわと攻めている。しかし、このトラックを決定づけているのは終盤近くでさりげなく用いられている悲痛なストリングスのサンプルだ。このサウンドは脳裏にこびりついてすぐに離れることはないだろう。Bサイドを丸々と占める"Say It"も、ゆっくりと構築されていくトラックだが、掴みどころが若干増えている。うねるベースとブリープ音によるメインリフ上に歯切れのよいパーカッションが重ねられたがっしりとしたクラブツールトラックだ。
TracklistA1 Play It
A2 Do It
B1 Say It