Galcher Lustwerk - I Neva Seen / Parlay

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  • ニューヨークのアーティスト、Galcher Lustwerkは、オリジナル作品をアルバム並みに収録したミックス『100% Galcher』によって、2013年のアンダーグラウンドシーンに一躍、その名を広めた。彼の作品らしく、うっすらと光るコードとヒップハウスのラップという方程式は、たまらなくオールドスクールでありながら、同時にフレッシュだった。ミックスに使われていたトラックの内、"Put On"を除くほぼすべてが未発表のものだ。White MaterialやTsubaからのEPには別のトラックが収録され、一方で、Road Hog名義ではインストものにフォーカスが当てられていたが、今回、彼は自らのレーベルLustwerk Musicから2枚のEPを通じて『100% Galcher』の未発表曲をリリースする。 各EPはそれぞれ異なるトラックに支えられている。つまり、パンチの効いたウッドブロックによるグルーヴの"I Neva Seen"と、ぼんやりと霞む"Parley"だ。冷やかに距離を置いたLustwerkによる歌声を際立たせた両トラックは、先のミックスにおいて最も印象的な場面となっていた。さらに本作には両トラックのダブバージョンが収録されており、彼のプロダクションスタイルの繊細さを強調している。"Parley"では、ボーカルの向こう側でスムーズなトラックがオパールのような輝きを放っており、最盛期のUnderground Qualityの作品を思わせる。 どっしりとしたドラムトラック"Cricket's Theme"も収録されているが、それ以外は『100% Glacher』の基礎要素でもあった簡素なチューンによって構成されている。孤独なシンセによる"Stem"(ミックスでのインタールードの多くは"Stem"と名付けられていた)、クリーミーなコードによる"Dockside"、そして、バレアリックな心地よさを含む"Kaint"だ。"Kaint"では、アップリフティングでありながら力が抜けたLustwerk的なクールさが保たれている。"Kaint"のようなトラックはミックスではさらりと使われていたが、ここでは単独作品として存在感を出している。たとえ今回のトラックを既に何百回と聞いていたとしても、今作のような形で聞いたことはないのではないだろうか。
  • Tracklist
      A1 I Neva Seen A2 I Neva Seen (Dub) B1 Stem B2 Cricket's Theme A1 Parlay A2 Dockside B1 Kaint B2 Parlay (Dub)
RA