Melodie ‎- Echo Rhythm EP

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  • 同郷ルーマニアの仲間であるRhadooとPetre Inspirescuと共にRareshがマネージメントを手掛けるレーベル[a:rpia:r]について話をした時、Rareshは「友達や僕にとってエモーショナル」な音楽をただリリースしているだけだと語っていた。[a:rpia:r]から発表されるトラックの多くはPetre Inspirescu、Thomas Melchior、Ricardo Villalobosを筆頭に、確かにエモーショナルだ。しかし、Rareshが自身のレーベルMeterezeから発表する音楽はさらにエモーショナル度が高い。Dubtil、MP、Baracによる最初の3枚のリリースはどれも、平均的なルーマニアン・ハウスでは持ち得ないフックを備えていた。それは分かりやすいものではなく、通常、奇妙なサンプル音であったり、自由にループ/加工されたブリープ音がフックとなっていることがほとんどだったが、骨格だけのミニマルなハウスの多くが掴み損ねている感覚が、そこにはあった。多くのミニマルとは異なり、パーカッションやベースではなく、むしろ上モノに焦点が当てられていたのだ。 Meterezeの最新リリースがブカレストを拠点とするプロデューサーであるMelodieから届けられた。どうやら「Echo Rhythm EP」は彼にとって初めてのソロリリースのようだが、そのサウンドは決してデビュー作には聞こえない。本作にはDJユースのために完ぺきに磨き抜かれた絶妙なトラック3曲が収録されている。そのムードには多義性があり、陰鬱としていながら恍惚感がある。"Acid Sunday"がまさにその好例で、メロウなアシッドサウンドにダビーに躍動するパーカッションを組み合わせ、今年一番の出来になるであろうアフターアワーズ仕様のトラックに仕上がっている。"Rhythmico"と"Justa"も同様の構成だが、よりダークな雰囲気が漂っている。Rareshは卓越したDJだ。そのため、彼のレーベルがミニマル志向のDJたちにとって垂涎モノの作品をリリースしているのも納得である。
  • Tracklist
      A1 Acid Sunday A2 Rhythmico B1 Justa
RA