Noo - Must Be The Music

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  • 「ムーディーなテクノバカを魅了することは絶対にない」。これはOptimo Musicから発表された2曲入り最新作「Must Be The Music」のプレスリリースで一際目に付いた一節だ。しかし、タイトルトラック"Must Be The Music"での嬉々としたディスコの魅力に抗える人はなかなかいないのではないだろうか。NooはDazeことChristoph Dasen(aka Plastique De Reve)とSami Liuski(aka Bangkok Impact/Putsch '79)によるプロジェクトだ。グラスゴーのレーベルOptimo Musicから2枚目のリリースとなる本作では、昨年のセルフタイトルEPのように、最高級のサンプリングとプロダクションスキルを駆使して、ニューディスコというよりもモダンディスコのようなサウンドをプロデュースしている。 本作の目玉は"Must Be The Music"だ。キーボードや背後から聞こえる話し声が内包する暖かな輝きの中から強烈な魅力が即座に伝わってくる。「このうちどれだけ飲めるか分からない。体が痛くなってきたの。抵抗できなくなってきたの。きっとそれが音楽ね」と歌う女性ディスコボーカルをフィーチャーした10分間に及ぶ抗いようのないトラックで、クラシックなディスコの仰々しさがドラマティックに流れ込んでくる。中盤には盛り上がり必至のブレイクが待ち受けており、終盤数分間に向け、さらにエネルギーを吹き込んでいる。"Heaven's Gate"では、スペーシーなパッド、キーボード、そして、空間的な雰囲気に合わせて、地球から避難することについて語る声が用いられており、ディスコの要素を保ちながら、従来とは異なる方向性に進んでいる。Aサイドに比べるとこのスローモーコズミックハウスはどうしても存在が薄らいでしまうが、今回の場合、それを恥ずかしく思うことはない。
  • Tracklist
      A1 Must Be The Music A2 Heaven's Gate
RA