- Sparky、Luma、Truffle Clubなど様々な名義でも知られるDave Clarkは、頻繁に言われている通り、グラスゴーが生んだレジェンドだ。「Tapes」に収録されているふたつのトラック（共に1994年に直接テープに録音されていた未発表音源だ）のように時代を感じさせる作品を聴くと、彼は天性のスキルに加えて多くの年月を制作に費やし現在の地位に至ったということを改めて意識させられる。
Sparkyと言えば、90年代後期にこの名義でリリースされた爽快なエレクトロトラック"Portland"をこの数年でRicardo Villalobos（英語サイト）とTuff City Kids（英語サイト）がリミックスしたことが有名だろう。"94Archive2/8"で使用されているコードは"Portland"的な粒立ちの荒さがあり、同トラックの魅力となっている。しかし、"Portland"は眩暈を起こしながらふらふらと進むトラックであったのに対し、"94Archive2/8"は90年代中期のWarp作品を彷彿とさせるまどろむキーボードとパッドによって不気味な雰囲気になっている。一方、"94Archive6/12"は高密度のパーカッシブテクノだ。背後でため息のようなキーボードが定期的に鳴らされる中、ドラム、破裂音、そして金属音といった多様なサウンドが徐々に重なり合って上昇していく様は儀式的ですらある。普段のClark作品と同様、今回の2曲も威風堂々としており、彼の多様性に富んだ素晴らしいディスコグラフィーに申し分なく収まるだろう。
TracklistA1 94Archive2/8
B1 94Archive6/12