- 昨年6月にリリースされた『EX』は、ニューヨークのグッゲンハイム美術館でパフォーマンスしたライブを元につなぎ合わせたアルバムで、Richie HawtinのPlastikman名義作品として10年以上ぶりとなる作品だ。Hawtinの重鎮的ステータスを考えれば、今回の豪華なリミックス盤を担当したアーティストたちが、原曲の要素に少ししか変化を加えていないのも、驚きではない。しかしながら、彼らが原曲に対し払った敬意は大きな成果を生み出しており、内3つのリミックスは原曲をより素晴らしいものに改良している。
唯一の例外がTale Of Usによる"EXpand"のリミックスだ。覇気のないピアノのメロディと浮遊感のあるタッチは、よく言っても訴える力に弱く、悪く言えばやる気が感じられない。一方で、"EXhale"をリミックスしたDixonによる"Just A Different Mixdown Version"が素晴らしい。原曲で壮大に駆け抜けていたオーケストラに対して巨大なキックを加えたシンプルなリミックスで、曲長も数分短くなっている。Reconditeも同様に軽めのタッチを"EXplore"に適用し、曲長を少し短くしている以外は、キーボードとドラムに絶妙なドラマ性を含める程度にアレンジを留めている。今回のリミキサーの中では少し時代が異なる印象のDubfireは、13分間に及ぶ"EXposed"のリミックスで本作を締めくくっている。原曲におけるイントロ的な雰囲気を取り除き、いきなり濃密なベースラインからトラックをスタートしている。このベースラインを保ったまま、トラックは素晴らしくヒプノティックなキーボードによるパターンへと展開している。
Tracklist01. EXhale (Dixon's Just A Different Mixdown Version)
02. EXplore (Recondite Remix)
03. EXpand (Tale Of Us Remix)
04. EXposed (Dubfire Remix)