Neue Grafik - Solal EP

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  • 自らをS3A (Sampling As An Art) と称するパリジャンのMax Faderは、S3Aと名乗った2012年以降に4 Lux BlackやLocal TalkにPhonogrammeなどハウス・ミュージックに定評のあるレーベルから作品をリリースし、破竹の勢いでその評価を高めている。そんなS3Aが2014年に立ち上げたレーベルがSampling As An Art Recordsで、レーベルの2作目にはパリとロンドンを拠点に活動するニューカマーのNeue Grafikが迎えられている。 S3Aというそのレーベル/アーティストは名は体を表すようにサンプリングを用いた作風が持ち味だが、このGrafikも同様にレーベル性に沿ったサンプリングを主体としたハウスを披露している。A面はパーカッションとハンドクラップによる軽快なビートによる"FooFoo"で始まるが、華麗に彩るピアノやフュージョン風な耽美なシンセのメロディーが用いられ、早速ブギーテイスト溢れるグルーヴに魅了される。James Brownによる"Funky Drummer"のビートをサンプリングした"Funky Lilas (Skit)"はインタールード的な短い曲だが、ここでも優雅に舞い踊るようなピアノの旋律にうっとりとさせられる。ドスドスとした土臭い4つ打ちが煙たい"For Tap Water"は、ガヤ声もサンプリングされ黒さを感じさせるファンキーな作風だが、やはりか弱くも沁み入るような美しいエレピの旋律やフュージョンテイスト溢れる煌めくシンセが特徴だ。B面にはホーンも導入され生の質感にぐっと感情昂ぶるディープ・ハウス寄りな"Botzaris II"や、より内向的で燻るような煙たいビートダウンの"Ahae's Mood"など、ややデトロイト色も濃厚な曲が収録されている。ハウスやディスコのみならずジャズやフュージョンからの影響は色濃く、サンプリングにより現代解釈したような作風は、正にサンプリングによるアートなのだろう。
  • Tracklist
      A1 FooFoo A2 Funky Lilas (skit) A3 For Tap Water B1 Botzaris II B2 Louvre (skit) B3 Ahae's Mood
RA