- YouandewanことEwan Smithが最近、Will Saulのレーベルに提供したEPは、それまで以上にタフなサウンドになっていた。しかし、「Spiral Arms」では、彼の初期作を特徴付けていたエモーショナルなムードが再び溶け出している。例えば、"Stak Poly Rooms"はクラシックな様相がハッキリと出ており、ラフに仕上げたキックが、くぐもったパッドに拮抗する中、囁くようなハイハットが秋の木の葉のように降り注いでいる。大げさなメロディと微細なメロディを美しく融合させている点から本作を語るならば、"Isabel"は後者にあたり、長く引き延ばされた単独音が、しっかりとしたトラックの土台を作り上げ、そこへ、アタックの強いとげとげしいベースと凍てつく生々しいパーカッションが加えられている。
"Fool Be Cool"でも同様に、感情を丁寧に表現しているが、Smithは伝統的（風）なアプローチを取っており、泡立つアシッド音、ジャジーな抑揚、そして、ソウルフルなボーカルサンプルを用いて、ディープハウスを模した少し変わったトラックに仕上げている。Marquis Hawkesのリミックスでは、余計な手は加えず、巧みに跳ね感を生み出している他、90年代中期のTodd Terryのニュアンスを含んでおり、なんとも優雅な奇抜さがある。「Spiral Arms」を気だるいハウスミュージックと呼ぶことが出来るかもしれない。しかし、今回に限っては、それは褒め言葉となるだろう。
TracklistA1 Stak Poly Looms
A2 Isabel
B1 Fool Be Cool
B2 Fool Be Cool (Marquis Hawkes Remix)