Sascha Funke - Zug Um Zug

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  • ベルリンのSascha Funkeは本名名義でのリリースという意味ではここ数年、音沙汰が無かった。彼の妻Julienne DessagneとのコラボレーションSaschienneによる柔らかなエレクトロニック・ポップの制作が彼の時間のほとんどを占めていたからだ。今回の2トラック入りEPは2011年のLP『Brave』以来となるソロ作であり、2001年以来となるKompaktからのリリースとなる。 Funkeがスタイルを劇的に変更することは決してないが、「Zug Um Zug」では彼が既に体得している瑞々しいテクノをさらに掘り進めている一方で、Dessagneからの影響をうかがわせている。まず"Zum Um Zug"はぐいぐいと進んでいくグルーヴがありながらヒプノティックな性質も持ち合わせており、アコーディオンのようなメロディがボーカル・ループと落ち着いたドラムを洗い流していく。最終的にメロディはゆったりとした低めのピアノ音へとモーフィングし、序盤よりもさらに優雅にトラックを締めくくっている。逆サイドの"Alles In Allem"で目立った特徴と言えば少しロカビリー風なギター・サウンドだろう。Kompaktスタイルを若干感じさせるパーカッションや時折転がってくる高域のメロディによって、トラックは午後の日射しを浴びる老猫のようにのびやかに展開している。
  • Tracklist
      A1 Zug Um Zug B1 Alles In Allem
RA