K15 - Insecurities

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  • K15はクールなヤツそうだ。少なくとも彼のソーシャル・メディアのアカウントを見る限りは。彼のTwitterプロフィールの「場所」欄には、「the back of the room / 部屋の奥」と記されているが、さらに具体的言うと彼はロンドンを拠点としている。SoundCloudでは、自分のことをレコード/和音/時々、ボーカル・スタブ愛好家と呼んでいる。このドライな感性を持つカリスマは自身のハウス・トラックを通じて活動を展開しており、そのサウンドはKyle HallのレーベルWild Oatsに完璧にフィットするものだ。そして今回、彼の2枚目となるレコード「Insecutiries』が同レーベルよりリリースとなった。絶妙でドラマチック、そしてその気になれば跳ね感も出せるこの2枚組12インチは、今後が楽しみな新人アーティストの素敵なイントロダクションだ。 「Insecutiry」はどこか壮大でありながらリラックスした雰囲気がある。楽曲のイントロでは音素材が点在し、アウトロではアンビエントな結末へと引き延ばされ、ブレイクでは再びリズムが戻ってくることをさえ忘れさせられる。"The Story Of Her Life"では、パッドとクラップ以外にはほとんど素材が使われていないにも関わらず、ボーカルをしっかりと支えており楽しませてくれる。「businesses closing, and times are rough / the bill-collector's tryin' to call me up / that's the story of my life / 仕事は上手くいかず、時代は厳しい / 金の取立の電話がかかってくる / それが私の人生の物語」とディーバはブルージーに悲哀を歌い上げる。 タイトル・トラック"Insecuries"も同様のトリックを用いているが、リード・ボーカルに頼ることなく、ドラマチックなパッドといじめるようなベースラインでトラックを成り立たせている。"GWHR"はハウス・ミュージックで最も聞くことの多いメロディの1つ"Gypsy Woman"を再解釈し、ラテンのリズムと太陽の日差しを浴びたパーカッションと組み合わせ、バリアリックで霧がかったサウンドに仕上げている。レコードの片面に2トラック収めるのに丁度いい長さの"Gratitute"と"Yellow"はそれほどヒプノティックではないが、他のトラックと同様、グルーヴィーでロウな感覚がエレガントだ。
  • Tracklist
      A1 The Story Of HER Life B1 GWRH C1 Insecurities D1 Gratitude D2 Yellow
RA