Afriqua - Slap EP

  • Share
  • Afriquaのトラックにはクラシックの習練を積んだ音楽家、という印象がある。22歳の彼が何年もアート・スクールでピアノと音楽制作を学んだことを知らなかったとしても、大々的なジャズ・アレンジと、即興のピアノ・パートでハウス・トラックに施す彼の作風から、何かしらの音楽教育を彼が受けていると予想するのは、筋の通る話だ。彼の最新作にあたるEP「Slap」では、入念に形作ったディープなバイブスをクラブでの機能性に追加しており、"Sexism"、"Slap"、"Segment"の3トラックは、卓越したピアノ技術の影響を含んでいる。 EPの幕を開けるのは"Sexism"だ。はためくシンセや、少し弾力性のあるキック、そして唸る重低音サウンドの上に、旋回するメロディを配置した場面が時折訪れ、しっかりとしたハウス・トラックの枠組を生み出し、即興演奏しているかのようだ。"Slap"では、定期的なインターバルがフィーチャーされ、アドリブのピアノ・パートではなく、低音としなやかなハイハット、そして息づかいの聞こえるボーカル、その間に広がる空間をきらめくコードが色付けている。"Segment"はピアノ作品以外の何ものでもない。Parker(Afriqua)によるメランコリックな旋律が、次々と形を変えるノイズの粒子とフィールド・レコーディングを施したアンビエントと対を成している。唯一ピアノが使われていないトラックが"Pastage"だ。少しアシッドなベースラインがイレギュラーなキックとダブ・ベースの音色を包み込んでいる。彼のトラックは繊細に描かれ、洗練されており、冷たい印象がある。足でリズムを刻んだり、頭を前後に揺らす以外の動きをさせることはなさそうなトラックだが、それが問題というわけではない。Afriquaはダンス・フロアの機能性上で心地いいサウンドを強調しているからだ。しかし、彼の才能はもう少しパンチのあるビートの方がハマるかもしれない。
  • Tracklist
      A1 Sexism A2 Pastage B1 Slap B2 Segment
RA