Kalabrese - Remixes EP

  • Share
  • KalabreseことSacha Winklerが昨年、発表したセカンド・アルバム『Indpendent Dancer』。面白いビートとライブ演奏を満載した4つ打ちグルーヴをベースに、Matthew Herbertの意匠ぶりにも匹敵する捻りの効いた楽曲を届けてくれた作品だ。巨匠HerbertもきっとWinklerに賛同したのだろう。彼は今回のリミックス盤でヘッドラインを飾り、"Desperate Man"を劇的に再構築している。オリジナル・バージョンでの重心低めのジャズ・ハウスは、息が詰まるほどに吹き荒れるサウンドへと捻じ曲げられ、小刻みに甲高く鳴り響くリズムと、容赦ないメタリックな打音を伴っている。こういうアレンジを施すのはHerbert以外に思い浮かばない。 既存のフィールドから抜け出していこうするHerbertには慣れているが、Acid Pauliが"Wanzka"のリミックスで、Herbertと似たことをやっているのには驚いた。悲しげなホーン、ハンドクラップ、ブルージーな雰囲気はオリジナルのままに、歪められたベースと軽いタッチのミニマル・パーカッションを少し用いて、そのムードをさらに促している。Frank Weidemannの"Stone On Your Back"リミックスは、Acid Pauliが成し遂げた雰囲気と全く遠い場所にあるわけではない。Kalabreseのバージョンを素晴らしいアナログなシャッフル・ハウスへと転回させ、レゲエのペースのヘビー・スモークなグルーヴで満たしている。Cansonによる"Desperate Man"のリミックスが最後に収められ、柔らかなアナログ・シンセの鼓動をベースにした果敢なアレンジを披露しているが、彼のオリジナリティを前面に押し出すには、原曲に対して十分に距離が取れていないようだ。
  • Tracklist
      A1 Desperate Man (Matthew Herbert Remix) A2 Wanzka (Acid Pauli Remix) B1 Stone On Your Back (Frank Wiedmann Remix) B2 Desperate Man (Canson Remix)
RA