Merachka - UnderGroov Remix EP

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  • 匿名プロデューサーの問題と言えば、これまでに発表されたものと新作を照らし合わせることが出来ないということだ。しかし、デトロイト・ハウスにおける鉄板アーティストであるTerrence ParkerのレーベルIntangibleからMerachkaが発表したデビュー作での雄大でありながら控えめなタッチは、MerachkaはParkerと同様のダンス・フロアからやってきたのだろうと思わせるのに十分なものだった。 Parkerによる"Undergroov"のリミックスはうねるボーカルからスタートする。キックとハイハットに対してこのボーカルが第2のリズム要素となるよう駆使されているアレンジは芸術的だ。そこからトラックは徐々にペースを増していき、エモーショナルな要素が少ししかないにもかかわらず、最終的にピークタイム仕様のサウンドとなるまで盛り上がっていく。Parkerの磨きぬかれたプロダクションと比べて、同面に収録されたMerachkaのオリジナル・バージョンは、べっとりとしたベースを用いたぬかるむトラックだが、付け加えられるサウンド、特に8ビットのブリップ音をさらりと用いている点からは、この音楽の領域を押し広げようとしているプロデューサーの姿を思わせる。 残りの2つのトラックはタフさを増している。特に"A Mnimal Break Down"は、重量級のビート、激しく揺れるシンセ、そしてソナー音を取り込んだ暴力的なクラシック・テクノだ。"Zniper"も他とは異なるトラックに仕上がっており、印象的なカウベルのサウンドがトラック全体に吹き付けられ、マシンガンのように高速で駆け巡っている。今回のリリースによって、Merachkaは自身の正体を隠し続けることが出来なくなるほどの注目を集めることになるだろう。
  • Tracklist
      A1 Undergroov (Terrence Parker’s Detroit Factory Remix) A2 Undergroov (Merachka’s Original Mix) B1 A Minimal Break Down B2 Zniper
RA