Garnier - KL 2036

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  • Laurent Garnierが続けている世界旅行プロジェクトGarnier。MCDEから発表となる今回のEPのタイトルは、マルセイユからアムステルダムに飛ぶKLMの便名である。このフランスのベテランは今年、Still Musicにはレトロなハウスを、50 Weaponsにはハードなテクノを、そしてMusique Largeにはインストもののヒップホップを制作している。「KL 2036」のサウンドが何なのか指定するのは難しいが、ざっくり言えば、キッチュな感性を少し取り入れた霧のたち込めるディープ・ハウスだ。 エチオピアのジャズから影響を受けたという"Psyche-Delia"は、じっとりとしてトリッピーなトラックだ。強行軍のように足取りを進めるキック・ドラムをベースに構築されている。盛り上げようとするメロディと旋回するシンセは、8分間に渡るトラックが展開していくにしたがって、大胆というよりもありきたりな印象に変わっていく。伝統的な印象になっている逆サイド"Whistle For Frankie"は、そのタイトルからどんなバイブスになるのかか想像できるのではないだろうか?ソウルフルなコード進行はサンデー・アフタヌーンのパーティーには完璧かもしれないが、ボーカル・サンプルは聞いてて恥ずかしくなるし、急ぎで適当に作られたような感覚があり、本物のシカゴ産のレコードを聞いた方がいい気がしてくる。この一連の12インチのリリースも佳境を迎えているが、その中でGarnierは自身にいまだに多様性があることを証明してきた。しかし、「KL 2036」は彼の膨大なカタログに追加されることになる単なる作品に過ぎないだろう。
  • Tracklist
      A1 Psyche-Delia B1 Whistle for Frankie
RA