

しかし、Roseがこれまでのキャリアで見せてきたように、彼は常に多様性と共に歩んできた男だ。1曲目の"Aphids"では、空間に甲高いシンセが混ぜ合わされ、タムが無限にこだましている。続いて、Chemical Brothersの亜種的トラック"Choke"が飛び込んでくると、雰囲気はピークタイムへと変化していくが、そのピークへと徐々に立ち上がっていくにつれ、前述のシンセ音がドスンとくるドラムにしっかりと固定されていく。これはRoseのフェスティバル・モードといったところだが、Bサイドではどちらかというと無愛想な印象だ。風が巻き起こってくるかのようにスタートを切る"Solitary Confinement"は不毛な風景を想起させ、最初の2分間は、North Lakeの作品を聞いているような印象を与えている。しかし、ゴロゴロと低い音を立てるシンセが入ってくると、ゆっくりとフィルターが開かれていき、ラバーガンのようなドラムの上で叫びあげるサウンドが突如、眼前に現れるが、陰気なキックによる"Distance"に差し掛かる前のトラック終盤には、一息つける時間が与えられている。
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掲載日 /
月 / 4 Aug 2014 -
文 /
Tom Banham -
翻訳 /
Yusaku Shigeyasu -
Tracklist /
A1 Aphids
A2 Choke
B1 Solitary Confinement
B2 Distance
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