ADMX-71 - Redacted Files

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  • ニューヨークの2つの世代が「Redacted Files」でがぶり四つ。まずはAdam Mithell。スペーシーでダークな世界を突き進んだ90年代のテクノ・ヒーローだ。対するはRon Morelli。彼が運営するレーベルL.I.E.S.は、ニューヨークのダンス・ミュージック・シーンの風景を変化させていくことに貢献している。今回のEPで、MithellはADMX-71名義を使用しているが、『Second System』でのダーク・アンビエントなテクスチャーを繰り広げるのではなく、彼がこれまで取り組んできたもう1つの領域であるインダストリアルとテクノの間を行き来するトラックを提供している。 例えば、Percがやっている有刺鉄線のようなビートとは異なり、Mitchellが生み出すハイブリッドはもっとスムーズになっており、どっしりとしたキックと、息を切らしたときのようなハイハットによる"Disentangle Me"は、彼の流動的なテクノを這うほどまでに遅くしたかのようなトラックだ。歪んだボーカルと虜になってしまいそうな魅惑のサウンドが鳴り響く様は、殺伐としたコールド・ウェイブ的な印象を与えるが、プロダクションの面では非常に最新かつ現代的なものだ。"Strife Within"は、さらに突き進んだ内容になっており、フル装備の巨大な戦車のように、ごろごろと轟くベースと低くうなるシンセ・ギターの上を転がっている。全く逆方向のことをやっているのが"Cryptic Language"だ。振り子のような弧を描きながら前後にスイングし、小刻みに動くべっとりとしたサウンドに溢れ、図太い足取りのリズムにテクスチャーを加えている。控えめにしてモンスター級のトラックを提示したMitchelは、ヘビーなサウンドを生み出すのに力で押しきる必要はないということを証明している。
  • Tracklist
      A1 Disentangle Me B1 Strife Within B2 Cryptic Language
RA