Royer - Tough Questions

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  • コペンハーゲンを拠点とするフランス人であるRoyerが、2枚目のEPにしてTasteful Nudesより初登場を果たす。にも関わらず、ベテラン並の頼もしさがある作品だ。デビュー作「Skokie Intruder」と同様、彼のサンプルに対する聴覚は相当キレるということが、本作でも明らかにされている。タイトル・トラック"Tough Questions"に広がるオルガン・サウンドは、Andrésが延々とループを作っているようであり、まるで陽炎がかすむ中を漂っているかのような印象だ。このトラックは、ヨーロッパのビーチで迎えた夕べを思い起こさせる。まだ起きたくないけれど、パーティーに向けてごろごろと準備をしている、そんな夕べだ。 他のトラックは、少しではあるがもっと夜に向け近づいている。"Grid Like"や"Us"での豊かに響き渡るローエンドには、Motor City Drum Ensembleのタッチが感じられ、誰も相手にしないようなところから救い上げたかのようなサウンドのオルガンとドラムが、両トラックにきらめきを与えている。本作のハイライトは"Morning Thea"だろう。忘れ去られていたTheo Parrishのトラック、とでも言えるかもしれない。煙たいジャズ・クラブでアップライト・ベース奏者が弾いているかのようなベースラインがループしている。他の収録曲と同様、ぼんやりとした空気を伴った腰に訴えかけるトラックで、麻酔にかかったかのような奇妙な感覚が与えられている。
  • Tracklist
      A1 Tough Questions A2 Us B1 Morning Thea B2 Grid Like
RA