- アトランタのアーティストMatt Weinerは、かなりの間、多くの名義で、荒々しいデジタルな描写や、タークなエレクトロニック・ポップ、そしてダンス向けのグルーヴの間を行き来する作品を手がけてきている。彼のTWINSプロジェクトでは、こうした要素が全て網羅されている。1曲目の"Love Runs Deep"は、鼓動するダビーなスタイルを取り入れた不吉なシンセと、巧妙なハイハットによるトラックだ。こうした基礎部分をもとに、11分以上に及ぶ壮大で偏執的なサウンド・トリップへと誘っていく。マイナス点はコンガのアレンジとレイヴィーなメロディで、袋小路に迷い込んでは、抜け出しているような感覚がある。
"The Empty Depp"は、こうした繊細なテクノ感は一瞬のみしかなく、はっきりとしたビートは避け、柔らかなパーカッションと捩れたベースを用い、極上の声で包み込んでいる。ワシントンDCのダウンテンポ・シーンの古株であるThievery Corporationの雰囲気があり、90年代後期のコンピレーションから取り出したようだ。簡潔な作りにもかかわらず、Weinerの幅広い音楽性を提示するものとして、このEPは最良の作品となっている。
TracklistA1 Love Runs Deep
B1 The Empty Deep