Marco Shuttle - Sing Like A Bird

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  • 2011年のヒット"The Vox Attitude"で一躍名を上げたMarco Shuttleは、それ以降多くの良作を制作している。見事にスモーキーなテクノ・サウンドをさらにダークに仕上げているが、彼のレーベルEerie(不気味な)という名前が全てを物語っている。"Sing Like A Bird"がここ最近における彼のベスト・トラックだとするならば、それはおそらく、多くのオーディエンスを沸かせる素材を再び用いているからだろう。しかし、こうした素材による装飾が無かったとしても、このトラックは引き続き素晴らしいものであるだろう。ロンドンを拠点とするイタリア人である彼の作品の多くは、本作同様、シンプルなドラムとシンセのループを少しだけ用いて、そこからニュアンスとキャラクターをひねり出すという点で匠の域に達している。Shuttleの高度に洗練された物語性を生み出すセンスは、おそよ12分間に渡ってサウンドを躍動させ続けているが、実際に耳がひきつけられるのは上空を漂うボーカルだろう。お約束となっている不気味な雰囲気と並行するアドリブ感がそこにはある。 Time To ExpressのボスPeter Van Hoesenによるリミックスでは、彼がこれまでに行ってきた音楽性から期待できるように、ヒプノティックな潜在能力をさらに引き出している。このバージョンはさらに豊かで幾重にもサウンドが折り重なった仕上がりになっているが、もしかすると、オリジナルの埃っぽい魅力が若干損なわれているかもしれない。幸いなのは、こういった素晴らしい作品をリミックスする場合、出来の悪いものにはならないということだ。
  • Tracklist
      A Sing Like A Bird B Sing Like A Bird (Peter Van Hoesen Remix)
RA