Ducerey Ada Nexino - Cycles, Children & Islands EP

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  • 過去、およそ5年間に渡って、密度の濃く脳に響くリズムを制作してきたYuji Kondoは本名名義の他に、Ducerey Ada Nexinoなる名義でも作品を発表している。さらに彼は2人組ユニットSteven Porterの1人でもある。現在のテクノ・シーンにおいて最もモノトーンなサウンドと不穏なビートを用いている彼は常に優れた展開を見せている。セルビアのレーベルGenesaに再び登場することになった本作はハードでアグレッシブなサウンドとなっている。 アナログ盤でのオリジナル3曲はブロークンビートによる重々しいビートとヒスノイズによるアンビエンスで満たされている。しかし強烈であるのと同時にキャッチーな感覚があるのが興味深い。まず最初にやってくるのは本作で最もピークタイム仕様のトラック"School Phosphene"で、記憶に残るほどに金切り声をあげているメイン・リフによって重機のように攻め立ててくる。"Beneath The Kitchen Faucet"と"Mouth Of Which"は共に、短く切り取ったボーカル・サンプルのようなものをループさせて。ざらついたマシーン・ファンクとハイテクなミュージック・コンクレートを組み合わせており、丹念に折り重ねることによってテンションを構築していくKondoの音楽的傾向をさらに強調するものとなっている。個人的には"Mouth Of Which"がお気に入りだ。他のトラックよりも若干ながらのんびりとしたこのトラックは不気味でありながら同時に魅了させられるサウンドを生み出すことに成功している。 GenesaのボスScalameriyaも"Mouth Of Which"のリミックスで参加しており、中盤にロング・ブレイクをフィーチャーしたタイトで比較的軽めのトラックを披露している。Kondoによるデジタル盤限定トラック"Moon Phase Letterpress"ではリズムを取り除いてさらにアブストラクトな傾向にのめり込んでいるが、ここでは、一点集中型で鋭く仕上がっている他のトラックに軍配を上げたい。
  • Tracklist
      A1 School Phosphene A2 Beneath The Kitchen Faucet B1 Mouth Of Which B2 Mouth Of Which (Scalameriya Remix) Digital: Moon Phase Letterpress
RA