Cousin Cockroach - This Ain't Tom N' Jerry

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  • ブロークン・ビーツは他の系統のUKダンス・ミュージックから格別、賞賛を集めているわけではないが、ここ最近、再び人気を集めているように思える。ジャングルに限らず、リヴァイバルが起きているジャンルならどれでもだが、ブロークン・ビーツも同様に決して消え去ったりしたわけではない。その影響力、そしてクラブPlastic Peopleで開催され、この音楽の中核を成しているパーティーCo-Opはいまだに継続しているのだ。Co-Opの中心人物は絶大な影響力を持つ音楽ユニット4heroの設立メンバーの1人、DegoことDennis McFarlaneだったのだが、DegoはCousin Cockroachという名前でも活動しており、この名義で発表した彼のトラックの1つ"This Ain't Tom N' Jerry"がロンドンを拠点とする燻し銀レーベルBerceuse Heroiqueによって再発されることとなった。 "This Ain't Tom N' Jerry"を聞いてまず思い浮かんだのは「野暮ったい」という言葉だ。ハスキーなリズムは野暮ったく、ボーカル・サンプルとブリープ音も野暮ったい。そしてベースラインはこれまたなんとも野暮ったい。Co-Opに行ったことは一度もないのだが、スモークで満たされた薄暗い空間の中をこのトラックがPlastic Peopleのサウンドシステムでがんがんに流れているのを想像することは決して難しくはない。逆サイトにMax Dによる"Chewy"をカップリングしたのは素晴らしい。このトラックには、昨年、RVNGから発表した煙たいハウス・アルバム『House Of Woo』(英語サイト)というよりも、Ramp Recordingsからの作品に近いものがある。ビートは滑るように展開し予測不可能で、ピアノによるベースラインにはマッドで狂った壮大さがある。
  • Tracklist
      A Cousin Cockroach - This Ain't Tom N' Jerry B Max D - Chewy
RA