Voices From The Lake - Velo Di Maya

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  • Donato DozzyとNeelによるVoices From The Lake名義での2012年のアルバムは、記念碑的なテクノ作品であり、その彼らの音楽を12インチでのリリースに収めるのは不可能だっただろう。(実際には昨年、"531kHz"というトラックがあるが、ここではそれは忘れてほしい。)しかし今回、このイタリア人2人組は新興レーベル、The Bunker NYに大きな衝撃をもたらそうとしている。大々的なリリースとしては、先のアルバム以来となる本作だが、魅力的な3つトラックが収録され、さらなる説明を要するほど大きく深遠な物語の一部になっているかのような印象を与えている。 アルバムが好きだった人なら"Velo Di Maya"も気に入ることだろう。『Selected Ambient Works Volume II』をループさせたかのような脳にこびりついてくるコードの中をトラックが坦々と漂っていくにつれ、キック・ドラムとハイハットがぬかるんだ泥水の中を一歩、一歩を歩を進めている。トラックは着実に執拗さを増していくが、いつも通り、迫り来る音の波はリスナーを目前にして引き潮に変わっていく。 彼らの最近のライブ・セットからの影響が"Sentiero"にはあると断言してもいい。毛羽立った質感のノイズを用いたハード目のトラックだが、しなやかなハンド・パーカッションが穏やかでスピリチュアルな空気を保っている。"Respiro"はハメていくというよりは、よりフィジカルなトラックだ。これはおそらく"Live Edit"だからだろう。電子回路がショートしたときの火花のようなメロディが用いられている。とげとげしくしっかりとしたバウンシーな感覚を持っており、さざ波立つ水の中へと潜り込んでいる。
  • Tracklist
      A1 Velo di Maya A2 Sentiero B Respiro (Live Edit)
RA