Juxta Position - Juxta Position Vol.1

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  • DVS1主宰、Mistress Recordingsから2枚目のリリースとなる本作は、ハウス、テクノ、エレクトロの間にある隙間に見事に着地しており、1枚目同様、興味をそそる内容だ。2枚目を担当Marquis Hawkesは、Dixon Avenue Basement Jamsに提供したザックリとした傑作ハウス・トラックで知られるプロデューサーだ。今回、彼は新名義Juxta Positionにて、通常の荒々しいエネルギーとは打って変わってストイックな様相を醸し出している。 "Mercy"と"The Darkness"、両トラック共にウェアハウスにおけるテクノらしいスパルタなダイナミズムに溢れているが、ハウスの要素によっても味付けがなされている。前者の場合では丹念にスライスされたボーカル・サンプル、後者の場合ではメスのように鋭いクラップとハイハットによって生み出される病に侵されてしまいそうなスイング感が、これにあたる。その結果、シンプルながらもスタイリッシュなこのトラック2曲をプレイすれば、ダンスフロアが良い意味で重苦しく沈みきった異様なゾーンへと達することは間違いない。"Mazury"による縦横無尽に光り輝くシンセは、こうした暗黒世界が繰り広げられた後である分、一層の衝撃があり、このトラックは強い求心力を持っている。ニクイ演出のカウベルなどエネルギーに満ちたエレクトロ・ビートを採用し、Hawkesの過去作品における遊び心を再び取り入れているようにさえ思えるものだ。メロディが積み重なっていくにつれ、Aphex Twinのドリーミーな感覚に似た活き活きとした無邪気な雰囲気になるのだが、岩のようにそびえ立つ重低音を聞けば、Hawkesが本気でやっていることだと気付くはずだ。
  • Tracklist
      A Mercy B1 The Darkness B2 Mazury
RA