Robert Hood - Eleven

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  • 当たり前だが、Robert Hoodの音楽はミニマルだ。しかし、2012年の作品『Motor: Nighttime World 3』や、よりソウルフルでサンプリングにフォーカスしたプロジェクトであるFloorplan名義でのデビュー・アルバムに引き続き、最新12インチのA面に収録されたトラックは、これまで以上に殺伐としている。アグレッシブなほどに前のめりな勢いを持った"Eleven"では、ピストン運動のように繰り出されるドラム、鋭いスネア、そしてコードが積み重なっていき、躍動感のあるリズムを生み出している。いつも通りのスパルタぶりだが、Hoodは数小節ごとに新たな要素を加えているため、機能的でありながら驚異的な姿へとトラックが展開していることに気がつかないほどだ。ブレイク部分は特に素晴らしい。スタッカートで刻まれるコードが泡立つようなパッドサウンドへと分解されていき、ブレイク明けと共にグルーヴが増強されている。 "Alarm"も輪郭のハッキリとした鋭いトラックだ。サウンドとサウンドの間にはかなり隙間があるにも関わらず、強烈なファンクネスを保っている。緊張感と解放感が巧妙に入り混じった9分近くに間に、なめらかなドラムサウンドによるグルーヴが、しなやかでメロディアスなトラックへと昇華されている。空気のようにさえ感じられるほど軽やかなシンセ音が中盤に奏でられているが、荒々しいベースとタイトルにもなっている"アラーム"音と見事に対をなす質感を生み出している。
  • Tracklist
      A Eleven B Alarm
RA