Indigo - Storm

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  • Synkroと共にAkkordとして活動するマンチェスターのIndigoがSamuraiレーベルにおけるディープなドラム&ベース部門であるRed Sealから初登場。おそらく、これまでの彼のソロ作でベストとなるものだ。「Storm」はSynkroことLiam Blackhurnの音楽的個性が持つ全ての側面を眩暈を起こしそうな1つの世界へとまとめ上げている。Synkro名義で彼が示している颯爽とした雰囲気、Akkord名義でのダイナミクスにおける的確なバランスを実現する精度、そしてジャングルの要素を少し加えるドラム&ベースに対する彼の嗜好性を感じ取ることが出来るだろう。 本作で最も印象的なトラックである"Volta"では、Akkord名義で馴染みのある金属的なコードとスナップの効いた鞭のようなリズムを聞くことができる。しかし今回はテクノのビートではなく、ブレイクビーツによるジャングルとなっている。"Spirit Of The Winds"では、深くため息をつくボーカルと共にブレイクビーツが用いられ、その結果生まれる高速で光り輝く人間離れした感覚は、まるで人工頭脳によるジャングルのようだ。ここでは3拍目にスネアが用いられておらず、延々と繰り出されるドラムが押し寄せ、最後にはダビーなコードがうねり出し、崩壊寸前にまでテンションが高まっている。 タイトル・トラック"Storm"はジャングルという音楽に対してストレートに臨んだ内容となっており、FractureやOm Unitといったアーティストに近いものがある。猛スピードで飛び交う様々なドラム・サウンドを使用しつつも、ダブステップのようなノリを生み出している。EPの幕を閉じるのは"Condition"だ。これはダブ・テクノであると言っていい内容で、ゆったりとした4つ打ちの振動が生み出す勢いに乗って流れていく。独特な方法で着実に展開していく奇妙でありながら美しいトラックだ。
  • Tracklist
      A1 Volta A2 Spirit Of The Winds feat. VersA B1 Storm B2 Condition
RA