Cut Hands - Madwoman

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  • ノイズミュージックのパイオニアとして歴史に名を刻むWhitehouseのWilliam Bennetは近年、アフリカ音楽に傾倒し、Cut Handsとしてそれまでとは異なる角度から肉感的なサウンドを展開してきている。その一方で、インダストリアルへの熱がここにきて再燃しているDownwardsがCut handsの音楽をリリースするのは必然のように感じられる。同名義における過去の数作と比較してビート感が強調されていたり、テクノフレンドリーなBPMになっているところあたりには、しっかりとレーベル色が反映されている。 切り裂くノイズ音でスタートするタイトルトラック"Madwoman"では、激しいアフロパーカッションとインダストリアル感あふれるメタリックなドラムによるミニマルなリズムを基軸に、しっかりとシーケンスされた複数のノイズフレーズが入り混じる。そのリズムに変化を加え、よりタメの効いた"Eat Them Like Bread"と、メタリックドラムの使用を控え、ウワモノとして使用されるフィードバック音が特徴的な"Inchantment"。一転して"River Mumma"は反響音に深いディレイをかけた静寂の中で警告を発する声が不穏な空気を醸し出すインタールードとなっている。 テクスチャーの組み合わせにより生まれる密度の高く直接、脳に響くサウンドはフロアにおいて強烈な効果をもたらすのは想像に難くない。インダストリアルテクノ、ひいてはダンスミュージックの概念を一層、面白くしてくれる一枚だ。
  • Tracklist
      A1 Madwoman B1 River Mumma B2 Eat Them Like Bread B3 Inchantment
RA