Ptaki / Maciek Sienkiewicz ‎- The Very Polish Cut Outs Sampler Vol. 1

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  • 『The Very Polish Cut Outs』は、ソビエト影響下のポーランドの音楽を発掘し、奇妙かつファンキーなディスコへとリ・エディットするという実に前例のないプロジェクトだ。彼らのblogのタグ・ラインには「ポーランドのダンスミュージックだって?気でも狂ったのか?」と(自嘲的に)書かれているが、そのコンセプトはなんとか成功していると言っていいだろう。ポーランドのDJ、ZambonとPnk Discorpによって始められたこのコンセプトの大部分はBaris Kがかつてトルコの伝統的で埃にまみれたフォーク音楽を奇妙なダンス・ミュージックへと生まれ変わらせた手法から影響を受けている。2009年以来、トラックをSoundCloudにアップしたり、ときおりヴァイナルでカットしたりしながら、このシリーズは未知の音楽を求めるDJたちからの信頼を勝ち得てきた。 このEPでのハイライトはPtakiによる"Krysyna"だろう。Ptakiはワルシャワ出身の2人によるデュオらしく、その実体は意図的に伏せられている。しかし、おそらくはこのプロジェクトも(このシリーズの作品の半分以上に関わっている)JaromirことFunkoffが何らかのかたちで参加していることは間違いないだろう。ともあれ、誰がこのトラックを手掛けていようと、その楽曲自体はかなり優れている。じりじりと燃え広がるようなディスコ・グルーヴはまさに一級品で、中盤でポーランド語のヴォーカルがじわりと広がるとともにグルーヴにもひねりが加わる。"Marek'"も同様に強力なトラックだ。中盤でクレイジーなくぐもったシンセが現れるこのトラックは、あたかもPrelude Recordsに対するポーランドからの返答のようでもある。 Bサイドはポーランドきっての名プロデューサー、Maciek Sienkiewiczの手によるものだ。ポップなメロディと調子外れなエレクトロニカを同居させ、"Song For Mohindar"での渦巻くようなハープでの浮世離れした感覚は特筆すべきものだ。うずうずするようなハウス的テンポも相まって、ストーンした感覚とバレアリックな感覚が同居している。
  • Tracklist
      A1 Ptaki - Krystyna A2 Ptaki - Marek B1 Maciek Sienkiewicz - Syntetyczna Kobieta Lux B2 Maciek Sienkiewicz - Song For Mohindar
RA