- Plangentでの初期12インチにおけるメランコリックなディープハウスから、アルバムでの常軌を逸したアシッド実験を経て、今回ベルリンのDystopianから届けられた軽やかで繊細に塑造されたテクノに至るまで、ベルリン在住のReconditeにおける作風の変化は目を見張るものがある。それでもこれらの作品に一貫しているのはある種の一定の軽さを伴った質感というべきだろう。この「EC-10」に収められた4つのトラックすべてが膨張したキックと圧倒的なリヴァーブを核に作り込まれている。しかしそのフィーリングはハーシュでメタリックなものというよりはエッジの丸いエコーで覆われており、洗練されたディテールに満ちたものであり、ウェアハウス的な暑苦しさというよりは教会のような崇高さに満ちている。
どちらにせよ、"Libria"でのサウンドはまるで人間的な気配を長い間排除したような空間で鳴らされており、その中心を成すリズムはパイプから沁み出る水滴のような音色や屋根の梁を吹き抜けるすきま風のような悪辣さを携えている。"Cleric"はSandwell District的なピークタイム・テクノと同種のテクスチャーを用いており、そびえ立つ壁のような軋みとぎらついたリード・メロディに満たされている。タイトルトラックはラージ・ルームを想定した入念なサウンドデザインが施された素晴らしいトラックで、8分間を通して金属的な音響が駆け抜けるそのさまは水銀のビーズを思わせる。
Tracklist A1 Libria
A2 Cleric
B1 EC10
B2 Equilibrium